前記事の最後の部分で、新型コロナウイルスに感染した妊婦さんが出たら、どの医療機関でどう扱うのか、具体的な対処方針がわからないとい書きましたが、本日付で、日本産婦人科医会より会員に向けて、対応方法を知らせる文書が発出されました。
これによると、現在、新型コロナウイルス感染症患者の大幅増に備えて、各都道府県当局でそれぞれに医療機関の調整(指定)を行っているそうです。
どの都道府県ではどの医療機関ということはまだわかりませんが、まずはかかりつけ医に相談して、指示を仰ぐことから始まるでしょう。かかりつけが、たまたま都道府県から指定された施設であれば、そのままそこで診療を受けることが可能ですが、そうでない場合には、指定医療機関へ転院することとなります。
自施設で管理困難な医療施設(クリニックなど)では、他の多くの妊婦さんたちに感染が広がるとまずいので、なんらかの症状があったり、感染者と接触したりするなどの妊婦さんは、その施設には来院させないことが基本となります。このような場合には、いきなりかかりつけ医療機関に行かずに、電話などなんらかの形で連絡していただきたいと思います。
医療機関側(あるいは妊婦さん本人)では、
PCR検査で診断が確定している妊婦の情報があった場合→ 保健所に連絡し、保健所が感染妊婦の受け入れ施設を選定し、そこから指定された医療機関を受診していただくことになります。
診断は確定していないが症状がある場合→ 帰国者・接触者相談センター(自治体によっては保健所、東京都では新型コロナ受診相談窓口)に連絡し、指示を仰ぐ。
症状はないが心配な妊婦さん→ 一般的な相談窓口(『新型コロナセンター』など、都道府県で名称が異なる))に相談していただく。
というフローになります。
転院先がはっきりし次第、かかりつけ医は、その妊婦さんの情報(それまでの診療経過)について、診療情報提供書を送付して対応します。
なんとなく心配だから検査を希望するという人が、センターなどに行ってしまうと、むしろ感染リスクになる(感染していない人がわざわざ感染しにいくことにつながる危険性がある)ので、そういう行動はとらず、まずは相談窓口に連絡していただきたいと思います。