以前より交流のある、林伸彦医師(現在英国FMFに留学中)が理事長を務める、NPO法人 親子の未来を支える会 https://www.facebook.com/familyandbaby/
のイベント、ピアサポーター・ピアコネクター意見交換会に参加してきました。
1. イギリスの妊婦管理、出生前検査の体制についての紹介と、日本との違いについての解説がありました。どちらがより優れているという単純な比較の問題ではないのですが、日本のシステムの優れている点と、改善しなければならない点について、他国ではどのような考えに基づいて、システムが構築されてきたかを知ることで、よく見えてくると感じました。
最も印象に残った話は、英国ではボランティア団体の活動を通して、医療従事者や専門家の意見だけではなく、医療を受ける側の女性の意見が反映されやすい形になっているというものでした。ここが日本との大きな違いのように感じます。また、日本では一般には優れたシステムと言われている国民皆保険の制度が、妊娠・出産や予防医療などに対しては、全くカバーされないために、全て自費で支払うことになっている点など、他国の政治と比べて考え方の違いが明確です。日本の状況を当たり前と思わず、抜本的に考え直すときにきているのではないかと思いました。
2. 当院で検査・診断をお受けになったのちに、地元の病院でお産され、赤ちゃんは出生後治療を受けた方が、ご自身の経験談をお話しになりました。お子さんは現在1歳2カ月になられ、まだ経過観察や検査が続いているのですが、元気に歩いて遊んでおられる姿を見ることができて、嬉しく感じました。地元の大学病院から当院への繋がりや、親子の未来を支える会との繋がりの大事さについて、私たちにとっても励みになるお話でした。
3. この会の業務として立ち上げた、無料相談サービス「ゆりかご」の紹介がありました。
まだまだ慎重に進めなければならない課題もあるように思うものの、どこに相談して良いのかわからず困っている方達にとって、このような場があることは救いになるだろうと感じます。
4. いろいろな病気や障害を持つ人たちの交流・ピアサポートのための複数のコミュニティ、SNSの紹介や報告がありました。いわゆる「患者会」という集まりですが、それぞれのグループを立ち上げた方々の思いが伝わってきました。ほとんど皆さん同じような思いをお持ちで、ご自身が出産したときやその後の育児の場面において、ほとんど相談できる場所がなく、孤独な中模索してこられた経験を、次に続く人たちには味わって欲しくない。自分がそのとき必要としていたものを、次に続く方達のために自分で作ろう。という強くかつ暖かい気持ちが伝わってきました。
以前に比べて、インターネット、SNSの浸透のおかげで、このようなグループの存在がわかりやすくなり、その内容も把握しやすくなり、アクセスもしやすくなったと感じます。そして、それらを繋げる役割を本NPOが担うことで、活動がより継続しやすくなり、資金調達や啓発といった運営面での助力も得やすくなると思われます。今後も応援していきたいと思います。
彼らの活動や問題意識の方向性は、私たちが日頃感じているものと類似している部分が多くあり、今後も協力していけるよう連絡を取りあっていきたいと考えています。