院長ブログ

18トリソミー

なぜこの国の“偉い人”は、自己決定・選択を好まないのだろうか? (遺伝カウンセリングは、不安を解消するための手段なのか?)

前回のブログ記事で、「指針」を読みつつ問題点について考えたのですが、私が感じる問題点、出生前診断に限らずいろいろなところに類似のものがある気がしてきましたので、その点について記載しようと思います。 「発生頻度が高い」とは?  前回引用したの...
18トリソミー

出生前検査(出生前診断)は、高年齢妊婦だけが対象のものなのか?

NIPTは35歳以上の妊婦が対象!?  先日相談のあった妊婦さんから伺った話なのですが、その方がおかかりになっている某地域の中核病院では、NIPTは35歳以上の妊婦が対象と言われて、その方は受けることができなかったとおっしゃるので、現時点で...
人工妊娠中絶

ABEMA primeに出演して(後編)

前編はこちら 出生前診断「時期尚早」論の当否  2点目は、安部敏樹さんが最後に語られた話です。彼は、特別養子縁組に関わってこられた中で、次のような感触をお持ちでした。 「アメリカやカナダでは、障害を持つ子どもたちに対して『この子たちはエンジ...
出生前検査・診断

ABEMA primeに出演して(前編)

慣れないテレビ出演、なんとかこなしました  2024年8月23日放送のABEMA Prime 「出生前診断で陽性、そして中絶…背負い続ける葛藤 産まない選択を当事者に聞く」に出演しました。  TVスタジオに足を踏み入れること自体20年ぶりぐ...
NIPT

NIPT実施施設は増加傾向だが、出生前検査・診断の提供体制は順調に整いつつあるのか? その6

(前回より続く) 「気になる「中絶」→「中断」への言い換え」  最後に、齋藤有紀子氏の論文の中に気になる記載があったので、これについて取り上げたいと思います。それは、以下の部分です。 医学会指針には「中絶」という言葉は出てこない。代わりに「...
学会

NIPT実施施設は増加傾向だが、出生前検査・診断の提供体制は順調に整いつつあるのか? その5

前回より続く  医学会指針には「中絶」という言葉は出てこないが、指針内のいくつかの記載から、『出生前診断後に人工妊娠中絶が行われうることは実質的に前提となっている』ことを踏まえ、人工妊娠中絶に関する日本の法制度を確認するに、『日本では中絶は...
18トリソミー

NIPT実施施設は増加傾向だが、出生前検査・診断の提供体制は順調に整いつつあるのか? その4

(前回より続く) 中絶だけに注目した議論がはらむ問題 それと、いつも気になるのは、検査を実施したり受検したりすることに対する批判的意見が、「命の選別」というワードで語られるように常に中絶を想定されていることです。 出生前検査はNIPTだけで...
NIPT

NIPT実施施設は増加傾向だが、出生前検査・診断の提供体制は順調に整いつつあるのか? その3

染色体異常が判明した場合には中絶しなければならないという決まりは無い これまでの記事 (前回から続きます)  この後 お腹に宿ったこどもの命の選択をしたくない、という妊婦もいる。そのような弱い立場の人たちを擁護すべきであり、どんな子であって...
NIPT

NIPT実施施設は増加傾向だが、出生前検査・診断の提供体制は順調に整いつつあるのか? その2

前回記事から続きます。 遺伝カウンセリングと「理不尽な意見」  さて、東京女子医大の山本俊至氏は、実際にNIPTに関わる遺伝カウンセリングに携わる中で、検査を希望するカップルから発せられる“理不尽な”意見を聞くことがあると言います。  それ...
医療全般

2024年 年頭所感 今年こその思いはあるが、はてどうすれば・・

ありがたいことにクリニックが多忙でブログを書く時間が 前記事の続きを書けないまま、年が明けてしまいました。その時頭の中にある記事を一気に書いてしまわないと、後から思い出して書くのが難しくて、、、 ありがたいことに昨年後半は診療その他でいろい...